shouyaの気まぐれブログ

Archive for March 2008

30 March

選ばれて。。

よっちゃん、おまえのこと好きだ！！
おまえ、よっちゃんのこと好きか？
どうして、よっちゃんのこと嫌いなんだ？

私を見つけるなり走り寄ってきて、腕をつかみジッと見つめて問いかけてくる
会社の上司と部下とのやり取りが面白い、テレビで流れるドコモのCM
その上司役のタレントを見ると思い出す、よっちゃん
30年以上前の事、受験に失敗し浪人が決まった春
2ヶ月間を札幌郊外にある知的障害者施設で過ごした
よっちゃんは、ここで生活をしていた

当時の私は社会福祉に興味があり、いわゆる実習体験をさせてもらった
この施設は生活寮があり、児童寮(二十歳まで)と成人寮に分かれている
児童たちは寮から学校に通い、成人たちは施設内の畑作業を日常とする
雪が積もる長い冬は、施設内の雪かき、雪解け後の畑の整地、夏に向けてのたい肥作りと忙しい
私は児童寮の子供たちと生活を共にし、彼らの「仕事」に参加した

春といっても、まだ3月、北海道は雪が降り積もっていた
本格的な雪かき、斧を使った薪割り、トイレから汲み上げる肥やし。。
初めて尽くしの毎日
雪かきすれば、滑って転び
薪割りすれば、斧の空振り
一輪車で肥やし運びすれば、ひっくり返す

お兄ちゃん！
そんなヘッピリ腰じゃダメだよ！
もっと腰に力を入れて！

そんな私の姿をみて年長のひとりが声をかける
彼の言葉を聞いて、他の子供たちが一同に真似る
私がドジる、みんなの笑い声に囲まれる
親元から離れ、集団生活をしている子供たち
ここでは、みんなが「家族」だ

おまえのこと好きだ。。
どうして、よっちゃんのこと嫌いなんだ？
よっちゃんの口癖だった
というより、彼から他の言葉を聞いたことが無かった
当時の私には、単純にこの言葉が彼にとってのコミュニケーションと思っていた。。

「よっちゃんは、おまえのこと好きだ！！
おまえ、よっちゃんのこと好きか？」
うん、よっちゃんのこと好きだよ！　大好きだ！
「どうして、よっちゃんのこと嫌いなんだ？
よっちゃんは、おまえのこと好きだ！」
だからぁ、好きだって言ってるじゃないか！
よっちゃんのこと好きだよ！！
「よっちゃんのこと、どうして嫌う？」
あのね。。。

彼は、社交辞令の言葉を求めていたのではなかった
私の返事が心からの言葉でないことを知っていた
よっちゃんは、寂しかったのだ！。。と後になって気付く
よっちゃんの笑顔と思えたものの、目は笑っていなかったと。。
本当は、私に問いかけている言葉ではなく
よっちゃんの両親に対しての問いかけではなかったのか？
彼の両親に「よっちゃんのこと、大好きだよ！」と言って欲しかったのだと。。

そして。。
言葉を持たないyumeが、私の子供として生まれた

パパとママは、yumeのこと好きだ！！
yumeは、パパとママのこと好きか？

00:33:00 | shouya | |

23 March

yume、養護学校を卒業する

卒業生一同が式会場の前列に並ぶ

作業所に通所する事が決まった生徒
職業訓練校に行き、就職に向けて準備を行う事が決まった生徒
一般企業に就職先が決まった生徒
一般大学受験を行い、商学部にみごと合格した生徒
各自の個性に似合った旅立ちが始まる
みんなの顔は、誇らしげに晴れやかに輝いていた

ピアノ伴奏によるエルガーの「威風堂々」が流れる中、yumeの名前が呼ばる
卒業証書授与の時がやって来た
担任の先生に背中を後押しされて壇上にあがるyume

ちゃんと一人で受け取りに行くんだぞ！
私は、ビデオカメラのファインダーに映るyumeを追いながら祈る

校長先生の前に立ち、ジッと先生の顔を見つめるyume
受け取る証書をしっかり手に持って下がる事が出来た

そうだ！　良く出来ました！
成長してくれたね！
そんなことを呟きながらファインダー越しに映るyumeの姿に感動する

yumesikiten

式典は来賓の挨拶が続く
子供たちにとっては長い時間が流れる

途中で立ち上がったり、歩き回り始めたりしないだろうか？
そんな心配は、みごとに裏切られた
yumeは、ジッと椅子に座りけなげに耐えてくれた

当たり前の事が、当たり前に出来ること
それは、yumeにとってはめざましい成長だった
この12年間、この養護学校で過ごせた事の成果であり、先生方の苦労の証
ビデオカメラのファインダーが曇る

yumehime

今年の卒業生で、女子はyumeを含め4名
式後、壇上に登り記念撮影をする

制服姿も今日でお別れ
みんな、それぞれの道を歩み始める
いつまでも輝いていて欲しい
どうか、汚れの無い心を持つ彼らを受けとめて欲しい

02:37:48 | shouya | |

20 March

明日、yumeは卒業式を迎える

どうしよう。
本当なら、5月に生まれるハズだったのだから、入学は1年遅らせようか？
それとも、早く慣れてもらったほうが良いのかな？
パパはどう思う？

yumeを養護学校の小学部に入学させるか、それとも来年に入学させようか迷った
早生まれであったため身体も小さく、体力的に学校生活を送れるか不安だった
ママはそれまで通っていた園の先生方に相談したり、友人に相談したり大忙しだった

大丈夫です！
お子さんは環境の変化に対しての吸収も早いし
他の生徒さんたちと一緒に生活するのですから、心配なさらないでください
入学予定の養護学校へママと相談に行った時、学年主任の先生からそういわれた
そして、進学を決めた

入学後、父兄参観にゆく
教室内では、ウロチョロしている幼稚園児が居た。。
12年前の事だった

オイオイ泣いていたかと思うと、急に笑い出す
yumeは今週、学校から帰ると普段より落ち着かない
どうやら、学校では卒業式の練習を行っている様子
いつもの音楽も、ビデオもダメ！
自分のペースがうまく見つからない、リズムがとれない
そんな状態になってしまっている

もしかして、卒業する事がイヤ!?
まさか！
そんなyumeの様子を見て、ママと話す

yumeは一人で壇上に上がり、卒業証書を受け取る事が出来るだろうか？
中学の卒業時は、途中でUターンし、担任の先生が慌てて起動を修正してくれた
今回もそうなるのだろうか？
それとも、成長を見せてくれるのだろうか？

明日、yumeは高等部の卒業式を迎える

23:46:18 | shouya | |

18 March

風邪の治りかけ時の必需品、外用鎮痛貼付剤

就寝時、布団のぬくもりに包まれる幸せな時間。
ところが、ウトウトし始めた途端、急に咽喉元がむず痒くなり咳が出始める。
咳が出る間隔が徐々に詰まり、やがて止まらなくなり、気管支炎のような突き刺さる咳が寝る事を阻む。
風邪の治りかけの時に多いこの恐怖の時間。

あまりにも咳き込み寝つく事も出来ず、また、咳き込む事で家族全員を起こしてしまうので、風邪の治りかけの時はいつも困っていた。
ふとした思いつきで、むず痒さを感じる咽喉の付け根と胸に外用鎮痛貼付剤を貼ってみた。TVCMで流れている「さろんぱす」を。

スーッと咽喉に心地よい刺激が広がり、やがて咳が治まる。
嘘のように効果があった。
それ以来、我が家では冬場の風邪の季節には、「さろんぱす」が欠かせない。

yumeには、標準サイズ一枚を二つに切り分けると丁度良い大きさになる。
就寝後、咳が出始めた頃を見計らって貼る事にしている。
今年は、ママが咽喉の痛みと咳の出る風邪に悩まされたが、就寝時はこの外用鎮痛貼付剤でやり過ごす事が出来た。

難点は、肌が弱いと貼り続ける事でかぶれてしまう事なのだが。。。

00:44:38 | shouya | |

14 March

yume、児童から成人へ

あっ！　yumeさんのお父さん！
yumeさん！　お父さんが来たよ！
今度いつくるの？
明日また来る？

yumeは、月に6日程度「ショートステイ」をしていた
会社帰りに迎えに行くと、寮生の子供たちに出迎えられ、声をかけられる
どうやら身体の小さいyumeは、赤ちゃんであり、アイドル扱いだった
この寮は、yumeが通っている学校と隣り合わせに在る
比較的軽度の障害の子供たちが住んでいて、日常の身の回りの事は自身で出来る
そこにyumeを預かってもらっていた、常連さんであった

今月で、yumeは18歳を迎える
なので、児童寮での「ショートステイ」は終わる
18歳を超えてしまうと成人寮にお世話になる事となる
児童寮は、対象が児童であるため出入り口の管理もしっかりしている
自らの気持ちを抑えきれず「脱走」してしまう子がいるからだ
職員の人数もそこそこ居て、安心してyumeを預ける事が出来た

今後は、「成人」対象の寮に預かってもらう事になる
児童対象の職員体制から、人数も減る成人寮でお世話になる
本人の「成長」は別にして、制度上の「区分け」に流される。。

yumeさんは、本当に愛されているんですね！
顔を見るとよく分ります！

ある日、ママが迎えに行った時、若い職員さんに声をかけられたそうだ
ママにとっては、思いもかけない言葉で、ビックリした
でも、yumeを見て「愛されている」と思われた事は、とてもうれしかった
日々、振り回されながら「爆発」を繰り返す、ストレスが溜まる
そんな日常を吹き飛ばしてくれた「言葉」だった

01:30:08 | shouya | |

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